誰でも作れるCGアニメ映画。
『3Dムービーメーカー』


●マイクロソフト、6800円、Windows95専用、
●登場人物は45、ロケ地は11、効果音は600種類用意されている。

 『トイ・ストーリー』には興奮してしまった。パソコンを手にしたからには、
自分もあんなCGムービーを作って自慢してみたい。こんな願望を抱く人は多
いだろうが、現実は甘くない。プロ用の高価な機材やツールが必要で、アマチ
ュアが簡単に手が出せる分野ではないのだ。ツールだけで二十万円はザラとい
う世界だからだ。
 とはいえ『3Dムービーメーカー』なら、わずか六千八百円の投資で、『ト
イ・ストーリー』も顔負けの3DCGアニメ映画を、いとも簡単に作れるのだ。
撮影場所、登場人物、効果音やBGMなど、素材は予め用意されている。テー
マと簡単なシナリオを考え、ロケ地と登場人物を選び、走ったり踊ったりと、
「芝居」を指示するだけで、映画が一丁上がり。根気さえあれば、長編だって
作れる。
 セリフは文章を打ち込んで、マンガの「吹き出し」の形で表示することもで
きるし、自分で声を録音して使うこともできる。操作も難しくなく、楽しくも
丁寧なヘルプ機能も付いている。いわば、粗ごしらえは済ませてあり、自分で
味付けできるインスタント料理だ。
 このソフト、基本的には子ども向けである(対象年齢十歳以上)。『ドラえ
もん』など、専用の素材集の発売も予定されている。とはいえ、人生経験が豊
かな「おとな」なればこそ、作れる映画もある。
 家族のアルバムやホームページを作る感覚で、家族全員で一本の映画を作っ
て、自慢しあってはどうだろう。パソコンは何かを創作してこそ、値打ちが初
めてわかる道具なのだから。

初出:日経PC21 96年7月号