2010年02月09日(火)
『意志の勝利』 [DVD]
レニ・リーフェンシュタール監督の伝説的プロパガンダ映画『意志の勝利』日本語字幕版が是空/メダリオンメディアから発売された(5040円)。これまでは英語字幕輸入盤しかなかっただけに「プロパガンダの基本技法とメディアリテラシー」の教材としては重宝しそうだ。発売元は発売に際してこんなコメントを出している。
今回のDVD発売は、封印された本作の存在を人々に知らしめ、その映画史における芸術的重要性を再認識させると共に、本作公開以降に起きた世界崩壊・ナチスドイツによる大量虐殺の惨劇を思い起こさせ、本作を所謂「反面教師」とし、二度とあのような歴史を繰り返してはならないという現代社会への警鐘を人々に鳴らすきっかけにしたいと強く希望し、また改めて平和への想いを再認識したいと考えております。
だが,パッケージングは,この意図とややかけ離れている。映画のスチルやポスターで構成されるポストカードが5枚封入され,パッケージ裏面にもヒトラーのクローズアップ・ピンナップが付されている。さらに,ブックレットの津川雅彦の寄稿が奮っている。
ドイツでは現在も『意志の勝利』の上映を法律で禁じている。これはドイツ国民も日本と同じく第二次世界大戦の傷から脱皮出来ず文化低開発国となっている証拠だ。
この映画が描いた「強烈な意志」を持つ人間の凄さを,ヒトラーと共に葬り去ってしまうのは勿体ない。
経済大国,日本の礎になった大東亜戦争の「意義の勝利」を映画化した時,日本が本物の文化国家として返り咲いた証拠となる。
「反面教師」ではなく「偉大なる先達」としてヒトラーに学べとの主張に読める。確かに,ドイツを含む欧州諸国の,ナチス関係歴史資料の封印と関連言説の抑圧を過剰反応として受け取る人も多い。ナチスやファシズムを研究する学者にも学術的な慎重さ(批判的分析)が求められている。その一方で,ネオ・ナチズムはドイツ国内にも無視できない少数派として潜在する。
もちろん,日本は防共協定や三国同盟(元祖・悪の枢軸)として,ナチズムへの協力者だった(見返りは乏しかったとみられるが)。その日本で,『意志の勝利』が「プロパガンダの方法論の手本」としてではなく「改めてプロパガンダを浴びるための素材」として発売されることには,相当な違和感を覚えざるをえない。
| 意志の勝利 [DVD] | |
![]() | 是空 2010-01-29 売り上げランキング : 430 おすすめ平均 ![]() 最低 映像が「美しすぎる」、映画史上最大の問題作。 演出の上手さAmazonで詳しく見る by G-Tools |
Posted at 23時39分 トラックバック ( 0 ) コメント ( 0 )
トラックバック
トラックバックURL
http://www.akaokoichi.jp/tb.php?ID=1721

![意志の勝利 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51HyOX%2BTkUL._SL160_.jpg)

最低
映像が「美しすぎる」、映画史上最大の問題作。